2000-03-10

CASで使われるカテゴリー

CASの実際の索引では、見出し語、カテゴリー（もしあれば）、置換基、修飾句は別の行に書かれる。これらをカンマで区切って行を続けて書く表記法はCAS Index Guide で行われており、ここではその方法にならう。

ClCH₂CO-O-COCH₂Cl のCAS索引名は、Acetic acid, chloro-, anhydrides, anhydride である。Acetic acid, chloro-, anhydride ではない。
ここで、anhydrides はカテゴリーである。酢酸やクロロ酢酸のような収録項目の多い見出しで修飾句の項目を分類するのに使われる。

例えば、ClCH₂CO-O-CH₂CH₂NH₂ と比べてみよう。この化合物のCAS索引名は、Acetic acid, chloro-, esters, 2-aminoethyl- であり、これは esters のカテゴリーに属する。

収録順序は、まずカテゴリーのアルファベット順で決まるから、無水物 "anhydrides, anhydride" は、2-アミノエチルエステル "esters, 2-aminoethyl ester" より前に収録される。
よって、これらの化合物のCAS索引名からカテゴリーを省略して、単に "anhydride" または "2-aminoethyl ester" を索引名の修飾句としては、アルファベット順が実際の収録順序と合わない。

もっとも、カテゴリーは、CAS の Index Guide Appendix IV の命名法解説でも省略されている。しかしカテゴリーを知らないではCASの冊子体での検索ができないから、ここではカテゴリーも含めたものをCAS索引名としている。

カテゴリーの種類

カテゴリーは次の12種類がある。

1. "acetals"
   立体母体（立体化学を持つ天然物のために決められた半体系的な名称を作るための母体）を元にしたアルデヒドおよびケトンに対して。
2. "anhydrides"
   酸の見出しで。
3. "anhydrosulfides"
   チオ酸の見出しで。
4. "compounds"
   付加化合物、錯体、混合物、塩、固溶体、反応生成物、または他のカテゴリーに入れられない若干の官能基誘導体
5. "derivatives (general)"
   官能基誘導体以外の完全な命名ができない誘導体（例えば不特定の置換誘導体）に対して。
6. "esters"
   酸の見出しで。
7. "ethers"
   Cellulose, Dextran, Starch などの特定の炭水化物の見出しで。
8. "hydrazides"
   酸の見出しで。
9. "hydrazones"
   アルデヒドおよびケトンの見出しで。
10. "oxides"
    アミンの見出しで。
11. "oximes"
    アルデヒドおよびケトンの見出しで。
12. "polymers"
    オリゴマーやホモポリマー、コポリマーに対して、

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