2002-09-04

フリードテルペン (friedoterpenes)

CASでは（1996年まで）、五環性トリテルペン（Gammacerane、Lupane、Oleanane、Ursaneの4種）において、ある種のメチル基の転位による構造変化を、接頭辞 friedo フリードを用いて表す。例えば、Friedogammacerane　フリードガンマセラン、Friedolupane　フリードルパン、Friedooleanane　フリードオレアナン、Friedoursane　フリードウルサン。接頭辞 friedo には、メチル基の転位が起こった環の範囲として、D, D:C, D:B, D:A のいずれか（イタリック）を添える。

IUPACでは接頭辞 friedo- の使用は認められていない。

通常		転位なし
D-friedo D-フリード		C-27: 14 → 13
D:C-friedo D:C-フリード		C-26: 8 → 14 C-27: 14 → 13
D:B-friedo D:B-フリード		C-25: 10 → 9 C-26: 8 → 14 C-27: 14 → 13
D:A-friedo D:A-フリード		C-24: 4 → 5 C-25: 10 → 9 C-26: 8 → 14 C-27: 14 → 13

Friedelin　フリーデリン

5,9,13-Trimethyl-23,25,26-trinor-5β,8α,9β,10α,13α,14β-oleanan-3-one [IUPAC]
5,9,13-トリメチル-23,25,26-トリノル-5β,8α,9β,10α,13α,14β-オレアナン-3-オン

(4β,5β,8α,9β,10α,13α,14β)-5,9,13-Trimethyl-24,25,26-trinoroleanan-3-one [CAS, 1997〜]
(4β,5β,8α,9β,10α,13α,14β)-5,9,13-トリメチル-24,25,26-トリノルオレアナン-3-オン

D:A-Friedooleanan-3-one [CAS, 〜1996]
D:A-フリードオレアナン-3-オン

※図はD:A-フリードを用いた名称における番号付けを示す。IUPACではオレアナンの24位は4β-メチルと決まっている。

参考文献

1. [RF] IUPAC. Revised Section F: Natural Products and Related Compounds (Recommendations 1999). Pure Appl. Chem. 71, 587-643 (1999); Errata : Pure Appl. Chem. 76, 1283-1292 (2004).
2. [CAS] CAS. Chemical Abstracts, Index Guide, 1992; 1997-2001. Appendix IV, ¶212.

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